まずBL小説一発目はこれ。
現在進行形で一番ハマってるシリーズ(笑)
暴走レビューは必須です(笑)
っつーか、書き終わって気付いた。
今までのレビューの中で一番長いよ(汗)
【許可証ください!シリーズ】
著:烏城あきら 挿絵:文月あつよ
シャレード文庫(二見書房)
★★★★★
『これから喜美津で働いていく俺とお前が、なんで寝ちゃいけないんだ』
文句無しの5つ星。
働くお兄さんは……好きですか?(笑)
記事が長くなったので、折りたたみます。
レビューで折りたたむのは今回が初だ(笑)どんだけ長いんだよ!
簡単にあらすじを。
四大理系卒の阿久津弘は大学の成績も1位2位を争うほどの頭脳の持ち主だった。
そんな彼がとある切っ掛けから中小企業の製造業(メーカー)へ就職して3年目のこと。
品質保証部に所属している彼は、同い年で製造部(まさに製品を作っている部門)の
前原健一郎と共に大手企業から来たクレーム対応のための自社工場の調査をすることになる。
弘は一年前のとある出来ごとにより前原が苦手であったが、クレーム調査を共にしていくうちに
前原に対するわだかまりも消え、さらに驚くことに前原が自分に対して実は同僚以上の感情を持って
いることを知らされて…。
と、まぁ、こんな感じです。
現在6巻まで出ていて、今年7巻が出て完結するらしい(笑)
これが終わっちゃうなんて悲し過ぎる!!!!(TT)
作者の烏城さんはとても丁寧な文章を書かれる方で、仕事の内容に関しても全く堅苦しく無く、その職種に初心者な読者を置いてけぼりにするようなことは一切ありません。
それに驚くほど仕事を上手にアイテムとしてBLの中で活用してて、こんな
「お仕事リーマンBL」は他に無いだろ!と思えるほど見事な筆さばきを披露しています。
内容としては、
化学薬品工場が舞台で、事件と言えば80%が仕事のトラブルです(笑)
本当に仕事BL(笑)
それなのに、ちゃんとBLになってるのが、この作品の凄いところ。
現場で働くお兄さんのラブ。まさにそれ(笑)
ここでキャラのことを少し。
受けである阿久津 弘(アクツ ヒロシ 以下 弘)は就職先の喜美津化学(キミツカガク)にとっては史上初の理系四大卒エリート。
でも本人は至って謙虚で、それでいて性格は負けず嫌い。
仕事には常に前向きで、責任感と勤勉さと忍耐があって工場中から信頼のある若手研究員。
顔は優しい美形で工場の親父連中には『品証の美人』とか『品証の別嬪さん』と呼ばれている。
仕事では冷静沈着で頼りがいがある阿久っちゃんと慕われているけれど、普段は結構うっかり者で突発的出来事に非常に弱い(笑)すぐ動揺する。
優しくて心配りが出来て、非常に出来た人。
でも仕事には真剣で意見の対立にも反論するし、必要があれば怒鳴るし(笑)エリートな良い子ちゃんだけでは決してない。
そして色恋には鈍い(笑)
前原に強引に迫られて戸惑い、どうしたらいいんだろう…と迷うんだけど、それも次第に消えてちゃんと好きだと受け止める過程が潔い!
攻めの前原健一郎は工業高校卒で、製造部の若手では一番の兄貴分。
頭の回転が非常に早く、責任感が強い。なにより仕事大好き、工場大好き(笑)
実はかなりの努力家。
だれにも頼まれないのに、独学で工場内の配管図を手書きで一年掛けて作り上げちゃう人。
嫌な仕事も進んでやり人に押し付けたりしない、真面目な人で、後輩や先輩上司からの信頼もとにかく篤い。
強引ではあるが、俺様ではないです。
周りのことを良くみていて、上手く周りが回るように常に機転をきかせているタイプ。
かといってヨイショするわけでもない。
欲しいと思ったらとにかく主張する。取られたくないと思ったら縛る。
自分が納得するちゃんとした理由でない限り譲らない。
結構付き合うと面倒な人かもしれない(笑)
一番上 ↑ に青字で書いた
『これから~』は、弘と途中まで良い雰囲気になって、それでも我に返り逃げ出した弘に対して放ったセリフです。
彼には『男同士だからダメだ』とか『会社の同僚で』という理由は一切通用しないんです(笑)
彼らをとりまく人達も血肉のある活き活きした人達で、誰もが愛おしい。
弘より4つ下の同期である江夏くん、前原の後輩の菊川くんと滝田くん。
弘の上司である木崎部長、前原の上司である竹中部長。
本社の営業部長の矢野さん。
矢野の部下の徳永くん。
そして弘の両親と前原の両親。
全ての人がみんな活き活きしていて、それぞれの立場でちゃんと生きている。
そういう人物にまで丁寧に細やかに描写されています。
後半に
両親へのカミングアウトの話が入ってくるのですが、カミングアウトもので嫌な話しか読んだ経験の無いかたは、この機会にこの話を読んでみて欲しいです。
彼らの両親の、子に対するまっすぐな思い、優しさ、そういうものがすごくじんわり伝わって、後味が悪いものには決してなっていないし、かと言ってBLにありがちなご都合主義(両親がホモOKとか)な展開も一切無いです。
本当に読んでいて、親としてはたまらないカミングアウトだけど、彼ら親達にも過去があって子を信じていて…。
親なりの子を思う葛藤とか、暖かく表現してあります。
烏城さんって人を描くのが本当に上手なんだなーって思えてきます。
実はこれを読んで、
生まれて初めて知った四字熟語があります。
こんな言葉があったんだ、と目からウロコでした。
思わず広辞苑で調べちゃったよ(笑)ほんとにあった!(笑)勉強になりました…(汗)
そしてこのシリーズを読んで、
仕事に対する考え方が少し変わりました(笑)
この小説は……そうだなぁ。
本社と工場(というか現場)で人物の立場が完全に分かれていて、弘達は工場側の人、まさに現場で働いている人です。
そんな汗水垂らして毎日ガシガシ働いている人の爽やかさや苦労、楽しさ、厄介さ、そういうものがモロ伝わってきます。
そして弘も前原も、上司が居て、部下(後輩)が居る。
会社の中で、ちょうど真ん中の立場に居て、そして働き盛り。
そういう二人を見ていて、私もモロ現場で働いている人間だし、立場も物凄く被って(笑)、自分はちゃんと後輩達に道を示せているかな、仕事に真剣に向き合っているかな、信頼出来る上司はいるかな、と少し真面目に考えたりしました。
それくらい仕事にまっすぐな人達の熱い人情BLって言えば良いかな(笑)
あ、あと
現実のニュースにも関心が向くようになりました。
特に化学薬品工場の事故のニュース。聞くたびに胸が痛みます。
喜美津化学も事故にはホントに気を付けて欲しい…(>_<)
ちなみに、
ア マ ゾ ン での評価の
★の多さは本当に要チェックです(笑)
私はその評価を参考にしてゲットしましたので(笑)
あ、そうそう、この烏城さんは
エッチシーンの表現が上手いです(笑)
受けの思わぬ行動とか、私が攻めだったらもう…たまらんぞこの野郎!と飛びかかりたくなるくらい
「いやらしい受け」です(笑)
攻めを無意識のうちにソノ気にさせるんです(笑)
でも誘い受けとかじゃなくて…なんつーか…して貰うばかりじゃなく自分も相手にしてあげたい、とかそういうのが自然に行動に出るんですね。
烏城さんの許可証シリーズ以外も読んだのですが、この方の書く受けはそういう傾向が結構あるみたい(笑)
そんなところが嫌じゃなくてむしろツボな受けです(笑)
攻めも強気で強引にリードしていくので、
強引な攻めが好きな方にはよろしいかと(笑)
場所も様々です。部屋、職場、釣り宿、ホテル、お風呂、宿、台所。
実にさまざま(笑)なのに一つとして同じものが無い。凄いです。
これだけエロシーンがあるのに飽きさせないのが凄い!(笑)
あとこの
表紙も良い!
1巻ではお互いそっぽを向いてるのに、最新刊の6巻では至近距離で見つめ合ってます(笑)
1~6の間の表紙も二人の関係を非常に奇麗に表しています。
内容としては1巻で両想いでくっつくし、あくまで恋人同士のまま話が展開していきます。
前原が弘に対してもう……ガツガツ行くんで、弘も大変(笑)
でも弘も前原が大好きなので結局ラブラブです(笑)
二人の関係が1巻から丁寧に進んでいくので、「おいおい展開早いよー」とか「なんで二人はこんなにラブラブなんだよー」とか、変に引っかかるような部分は一切無いです。
その点は安定してます。
そして最後にこれだけは言っておく!
ツナギ萌え!(笑)
下の表紙ですが、これは3巻の表紙です。
左側が受けの弘。右が攻めの前原です。前原の格好がまた…萌える!(笑)
ツナギの腰履き&Tシャツ&頭には社名入りタオル!最高です!(笑)
あとは軍手とか安全ヘルメットとか安全長靴とか!
それと作業服!!!
上下で分かれてるんですが、Tシャツの上に作業着を羽織っても良いし、弘の場合は研究職なのでYシャツの上にネクタイして作業服着てるんで、またそれが萌える!(笑)
リーマンはスーツ&ネクタイだけじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!(絶叫)←落ちつけっ
作品そのものの内容は地味目ですが、
働くお姉さんにこそ、不況の今だから読んで欲しい!
そんな素敵なシリーズです♪
PR